体外受精は調節卵巣刺激 → 採卵 → 受精 → 培養 → 凍結を行い、最後に胚移植を行うという手順になります。
調節卵巣刺激とは、ゴナドトロピンという卵巣に働き卵胞を育てるホルモンを内服薬や注射などによって外部より投与して複数卵胞を育つよう促します。患者様の卵巣予備能(AMH)や通院状況を加味して個別化した調節卵巣刺激を行っております。
① マイルド法

内服薬(クロミッド、レトロゾール)で卵巣を刺激する方法で、採卵できる個数は多くないが合併症は少ない方法です。
② アンタゴニスト法

ゴナドトロピン注射(FSH、HMG)を使用して多数の卵胞を育てます。途中から排卵を予防する注射(GnRHアンタゴニスト)を使用する方法であり当院で最も多い方法です。
③ プロゲスチン併用法(PPOS)

内服薬(プロゲスチン)とゴナドトロピン注射(FSH、HMG)を併用して卵巣を刺激する方法で、多数の卵胞を育てることができます。
④ ロング法

点鼻薬(GnRHアゴニスト)を前周期から使用し、ゴナドトロピン注射(FSH、HMG)を併用し多数の卵胞を育てることができます。
⑤ ショート法

点鼻薬(GnRHアゴニスト)とゴナドトロピン注射(FSH、HMG)を同時に併用し適度な数の卵胞を育てることができます。
体外受精は体外で受精させるので卵子を体外に取り出すことになります。経膣超音波(エコー)を使用し、卵巣にある卵胞に針を刺し、卵胞液ごと卵子を吸引します。そして、顕微鏡下で卵子を探します。


卵子と精子を受精させる方法には「体外受精」と「顕微授精」の2通りがあります。
- 体外受精
- 卵子と精子を1つのシャーレの中に入れて培養します(媒精)。運動性の良い精子を一定の濃度に調整し、卵子と一緒に培養します。

- 顕微受精
- 特殊なガラスの針を使って精子を卵子内に直接注入します(右図参照)。顕微授精をICSI(イクシー)と言うこともあります。※顕微授精も体外受精ですが、区別するためにこのように言い分けます。
- 特殊な酵素を用いて卵子の周りについている卵丘細胞を取り除いてから、顕微授精を行います。
- 顕微受精の適用患者
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- 精子の数や運動率が不良で、体外受精では受精の見込みが低いと予想される。
- 精子の数や運動率は十分なのに、体外受精で受精しなかった(受精障害)、または受精率が低い。
- 卵子を体外に取り出した後、受精しなければ体外受精はそこで中止になってしまいます。当日の精子の状態が不良である、調整後の精子が良くないなどの場合は、患者さまと医師との相談の上、顕微授精に切り替えることもあります。
- 受精卵の分割写真
- 採卵の翌日に受精確認をします。
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- 【day1】 受精した卵は『受精卵』と呼ばれます。
- 【day2】 さらに採卵から2日目には細胞が分裂を始めます。分裂した卵は「胚」と呼ばれます。
- 【day5】 順調に進むと、採卵から5日目に「胚盤胞(はいばんほう)」という状態になります。
培養した胚は-196度の液体窒素を用いた超急速ガラス化保存法(vitrification法)にて凍結しています。 融解後の胚の生存率が90-95%以上とされていますが、3-5%の胚は凍結のダメージにより変性してしまう可能性もあり、その場合胚移植は中止となります。

良好な胚を子宮内に戻します(胚移植)。当院では、初期胚移植または胚盤胞移植を行っております。通常は初期胚(day3)移植を行っていますが、反復不成功例や胚の状態などを考慮し、患者さまと医師との相談の上、胚盤胞移植を実施しています。

子宮頚部から細いカテーテルを入れ、胚を子宮内に戻します(上図参照)。採卵から胚移植までを「体外受精-胚移植(IVF-ET)」といいます。
卵子は受精したあと約5日目に胚盤胞になり、6~7日目には透明な膜(透明帯)から抜け出します。これを孵化(ふか)といいます。孵化した後、胚は内膜に着床します。

透明帯の一部を薄くすることで孵化を手助けする技術のことを、アシステッド・ハッチングといいます。透明帯が通常より厚かったり、胚を凍結すると透明帯が硬くなるとの報告があり、その場合にはアシステッド・ハッチングが有効だと思われます。当院では凍結胚移植の患者さまにすすめており、よい結果を得られています。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 9:00-12:00 |
− | 吉田 橋口 |
吉田 橋口 |
吉田 *不定期 |
吉田 橋口 |
小塙(理) (吉田) |
吉田 橋口 |
午後 14:30-16:30 |
− | 吉田 橋口 |
吉田 橋口 |
− | 吉田 橋口 |
小塙(理) (吉田) |
吉田 橋口 |
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